2008年2月26日火曜日

人に何かをしてもらったら、その倍をお返しに。

 僕の家族は毎年香川の光蓮寺で年を越します。そこには僕の祖母のいとこ(玉子姉ちゃん)が住職をしています。玉子姉ちゃんは僕が生まれてからの事全てを知っていて、僕の3人目のおばあちゃんです。いつも僕と僕の姉に優しくしてくれ、1年に1回行くか行かないかの僕らのために、そのお寺に二段ベッドや自転車を買ってくれたり(僕らが小さい頃だったので、二段ベッドや自転車は最高のプレゼントでした)、おいしいものを御馳走してくれたり、とにかく僕の祖母達と全く引けを取らない位優しくしてくれます。

 玉子姉ちゃんの行動や考えにはいつも尊敬してやまないのですが、その中でも一つ、僕が本当に、何も考えずにこういう風になれたらいいのになと思うことがあります。それは、玉子姉ちゃんの「お礼」の仕方です。

 玉子姉ちゃんはお寺さんなので、お中元やお歳暮にはたくさんの人からたくさんの物をもらいます。そしてそのお返しに玉子姉ちゃんは、もし5000円の物をくれた人には1万円の物、1万円の物をくれた人には2万円の物を送ります。なので、いつでもお中元やお歳暮には、約50万円の出費となります。玉子姉ちゃんはいつでも「人に何かしてもらったら、それと同じ程度の物でお返ししてはだめ。それ以上の物を常にお返しして、感謝の気持ちを伝えないと。」と言います。相手の優しさや気持ちはお金では代えれないものと考えるが故なのだと思います。だから自分も出来るだけのお礼をして、自分の気持ちを相手に伝える。これってすばらしく人間味のある行動だと思いませんか?これは一見誰にでも出来ることではないように思えます。ある程度経済的に裕福でないと、こんなこと出来ないと思ってしまう人も沢山いると思います。しかし、僕はこれは金額の問題ではないと思うのです。

 例えば、近所の人から鯛を貰うとします。(今気づいた人もいるかもしれませんが、これは完全に釣り好きな僕の例です) そうすると、もらった人はその鯛を使って、何か料理をし、そして鯛をくれた人を夕食に招待します。これが「倍にしてお返しをする」ということだと思います。値段は、いつでも鯛の倍とはならないかもしれません。しかし、その人の気持ちは、鯛の値段の倍以上の価値があります。

 「ありがとう」という言葉は大切です。それは常に表現しなければなりません。ありがとうという一言は自分も相手も気持ち良くさせる力があるからです。しかし、ありがとう以上の物を表現できたとき、その人は本当の意味で恩を返したのだと思います。
 

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