2007年5月3日木曜日

1年目終了


 関西外国語大学にはたくさんの留学プログラムがあり、昨年からメキシコ2ヵ年留学が始まりました。その第1期生として、僕ともう一人の友達が選ばれました。昨年の8月の始めから授業が始まり、本日、5月2日に1年目の授業が全て終わりました。この留学プログラムは1年目と2年目の大学が変わるので、今年通った大学ではもう授業を受けれないことになります。ここの大学はラテンアメリカ(カナダ、アメリカ以外のアメリカ大陸にある国々)の中で最大で一番優れている大学だと言われています。この大学はInstituto Tecnológico y de Estudios Superiores de Monterreyと言い、メキシコ人はTecやITESMと省略化し、非常に多くのメキシコ人に知られています。Nuevo León州Monterrey校(親キャンパス)をはじめ、メキシコの32州に対して、キャンパスは全国に34校あります。この大学は特に科学技術の研究が盛んで、中米、南米からも多くの学生が留学に来ます。

 僕はメキシコに教育学を勉強しに来たので、この大学は基本的に僕の目的には適してはいません。しかし僕が1年目にこの大学を選んだ理由は、留学生の数とその留学生のための授業の豊富さです。この大学は、400~500人、多いときでは600人近くの留学生を毎年受けいれています。もちろんスペイン語がほとんど分からない学生や、理系の学科には全く関係のないことを勉強している学生も来ます。よって、それらの学生にも満足させるための授業が多く、先生、授業内容の質も非常に高いのです。この大学ではもちろん自分のスペイン語の能力を伸ばす事も目的ですが、この大学で勉強したかった一番の理由は、これだけ多くの留学生を満足させる授業を展開する先生達は、どのような教授法で、どのようにスペイン語を外国人に分かり易く教えているのかというのを体験してみたかったからです。僕は将来中学校の英語教師を目指しているので、学生のうちに様々な言葉の教え方を見ておきたかったのです。ここの大学では前期と後期で授業が変わるのですが、両学期共スペイン語の授業はとりました。そして後期は、1つだけメキシコ人の学生のための授業を受講しました。その授業では、プロフェッショナルな場での表現の仕方を学び、メキシコ人により自分のキャリアに合ったスペイン語の表現方法を学ぶことができます。その授業では、メキシコ人がメキシコ人にスペイン語を教える方法を見つけることができました。

 他にも様々な授業を受講しました。

<前期>


  • Español Avanzado 1 (スペイン語の文法)

  • Cultura de México (メキシコの文化)

  • Historia de México (メキシコ史)

  • Cultura Mesoamericana (メソアメリカの歴史と文化)

  • fútbol soccer (サッカーの練習とトレーニング)

<後期>


  • Composición 3 (アカデミックな文章の書き方)

  • Estrategias de Negociación en México (メキシコでのビジネスの仕方)

  • Estrategias de Traducción (スペイン語⇔英語の翻訳)

  • Expresión Verbal en el Ámbito Profesional (プロフェッショナルな場での表現)

  • fútbol soccer 

 前期はまだメキシコの生活リズムや習慣が分からなかった上に、スペイン語での生活にも慣れていなかったので、何も考えず、授業の課題や友達、家族との会話を必死にしていました。しかし、とにかくメキシコの文化に適応しようとする姿勢や、歴史、文化などの授業によって、比較的早く生活に慣れることができました。そしてそこから、メキシコに住むためには、そしてメキシコでの留学を充実させるためには、メキシコ人の価値観で物事を考える事が大切だということが分かりました。(これは前回のブログの内容に関係します)


 後期は授業の内容が難しくなり、課題も非常に多くなりました。また本も合計2冊(1週間に1冊)読まされました。(後期の初めに電子辞書が壊れ、ペーパー辞書で単語等を調べました)後期での一番の収穫は、メキシコ人だけのクラスの授業の進め方と、外国人に対しての授業の進め方を比較できたことです。また、メキシコ人の授業に対する姿勢も見ることが出来ました。授業の進め方は、メキシコ人の授業はとにかくグループワークです。授業中でもグループワークが中心で、必ず毎回30分は2人か3人と組み、課題をこなします。日本の中学校では、それは不足していると思います。先生の話を聞くだけ、黒板に先生が書いたのを写すだけでは、先生が落語家並みの話す技術を持っていない限り、生徒は確実に自主性を無くし、退屈します。授業で生徒の自主性を養うことによって、家庭での自習(予習、復習)に繋がると思います。そしてメキシコ人の生徒は、とにかく発言します。授業の内容とは全く関係ないことでも発言します。時にはしゃべりすぎな生徒もいますが、基本的に先生も、たとえ生徒が授業の内容を反らすような発言をしたとしても、黙らすような事はほとんどしません。そこで黙らしてしまうと、授業中に発言することは悪いことだと生徒が考えてしまうからだと、その先生は言っていました。授業が参加しない授業は、授業ではないと僕は思います。生徒は授業に参加できなければ、何も学べません。そして、集中力も、話を聞いているだけでは決して持ちません。僕はその先生の意見を聞き、すぐに日本の生徒の授業中の態度を想像しました。日本では、授業中静かに先生の話を聞き、ノートをキレイな字でとる生徒が良いとされています。ノートをきれいにとる生徒はたくさんいます。しかしその生徒全員がテストで良い点数を取っているかと言えば、そうではないのが現状です。テストの点数だけでその生徒は判断してはなりませんが、授業の内容を学んだかどうかはテストの点数に反映されます。授業の内容に関係ない話をしていれば、生徒と先生の関係が「なぁなぁ」になってしまうと思う人もいるかもしれません。しかしそれは、その先生が生徒の「なぁなぁ」な態度を許しているだけなのです。メキシコの生徒は必ず先生を呼ぶ時は"Sñor@, Maestr@(英語でのMr., Ms. やProfessorにあたります)を必ず付けますし、英語は敬語はあまりありませんが、スペイン語では敬語があり、必ずその敬語を使います。日本の生徒は「○○○やんなぁ~、先生?」と良く言い、それを許してしまっている先生も多いですが、メキシコでは決してそのような言葉遣いは耳にしません。生徒が先生に対して常に敬語を使えば、彼らの多くは無意識の内に先生を敬うことになるでしょう。日本ではよく生徒同士で先生の話をする時には、先生の名前を呼び捨てで呼びますが、メキシコでは必ず「先生」、又は「~先生」と言います。


 メキシコ留学の1年目で学んだことはこれだけではありませんが、とりあえず今回のブログでは、教育関連でメキシコで学んだ事を書かせていただきました。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

すごいねぇ~超分析してるじゃん!!
2年目楽しみだね。
プエブラ行くから!
まだno conozcoだし!
早いようでほんと短かったね。
メキシコのいいところ悪いところ、日本のいいところ悪いところ、色々まぜて素敵な教育者になってください。
私の子供の先生になってほしいな★

Naoya Okuno さんのコメント...

さよへ

いつもいつもコメントありがとうございます。コメントだけ見てたら、さよ俺の事かなり好きみたいやで。笑

プエブラ、ええやろなぁ~~。普通やったら観光に行くようなとこやのに、そこで勉強。いやぁ~、すばらしい。今年はあんまり旅行に行かんと来年のためにお金貯めたから、来年は行くぞ!!!Veracruzもめっちゃ近いから、週末にちょいと、だけでもええし。Chiapas, Oaxaca, Queretaro......やばいな。うずうずする。

うん、いっぱい良いとこ、悪いとこを知ってる先生になる☆外国は何でもかっこいいってゆー先生(ってゆーか人)だけには絶対にならんとく。笑 ってゆーかならんしな、留学しとったら。留学ってそーゆーとこではいいかもな。

さよの子供の先生か・・・悪い事して俺がしばいても教育委員会に言わんかったら先生なったるわ。でも子供は確実に鯛釣り好きなるで。