2008年4月4日金曜日

授業中に横でオーケストラ


 この写真では少し分かりずらいでしょうが、この広場の奥では、新学長歓迎祭がオーケストラの演奏と共に盛大に行われています。その時の時間、午後1時。僕の心理学の授業が始まる時間です。その広場では、お酒やおつまみが振る舞われ、初めは招待された者だけが参加できるはずのお祭りが、学生もタダ飲み、タダ食いができるということで集まり、結果そこには軽く400人を超える人が集まっていました。
 教育機関でこのような事が起こって良いのでしょうか。盛大な祝いのすぐ隣では、いくつもの授業が行われています。僕のクラスはオーケストラの正面にある教室で行われるため、先生の話す言葉がほとんど聞こえません。そして結果、その授業は2時15分に終わるはずが、先生がこれでは授業にならないと判断し、1時半に終わりました。
 学生や学校関係者は、大学内での優先順位をどう考えていたのでしょうか。大学とは自分が学びたいと思うものを学び、そしてその知識を元に自らの研究を進める場です。その学生の学業の妨げをしているのが、その大学の学長なのです。新しい学長が就任するのはめでたい事なのかもしれません。しかしそれを祝いたいのであれば、生徒の学ぶ時間の邪魔にならない方法を考えるのが当たり前です。たとえ祭り行事が文化の重要な要素であるメキシコでも、教育機関での今回の行為は許されるべきではありません。教育機関は学生の成長を一番に望むべきです。その機関の代表者が彼の大学の学生が学ぶ機会を減らしているのです。就任早々このような行動をとる学長は、たとえ大学の利益をあげることが出来たとしても、学生のために自分を犠牲にすることは決してできないでしょう。そしてそれを出来ない学長がいる大学では、学生の平均的なレベルはある程度のところで止まってしまうでしょう。事実、約400人の学生は、他の学生の事など考えず、酒を飲み、騒いで楽しそうにしていました。
 全ての学生の手本になるべき教育機関のトップが、教育機関では決してしてはいけない事をしてしまい、そして学生もそれを何とも思わない。しかもこの大学はメキシコ国内で4本の指に入る大学です。これではメキシコの教育が伸び悩むのも無理はないと思いました。

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