2007年4月12日木曜日

痴漢

 ニューヨークの地下鉄に乗った時、アメリカ人に「ちゃんと決まった駅に降りるように。危険な場所に駅がある場合があるから。薄暗かったり、汚い駅には降りないように。あと、ニューヨークを知ってるアメリカ人に、事前にどこの駅が安全かというのも聞いておいた方が良い。」と言われました。
 メキシコシティーの地下鉄に乗った時、メキシコ人に「荷物は常に自分の体の前に持って、封は締めておくように。」と言われました。 自分の物を奪われないようにするための安全対策です。
 日本の地下鉄にはどのような安全対策があるでしょうか。幸い、日本では地下鉄内での盗難、危険な駅は非常に少ないです。しかし、一つ、多くの国には無い、日本独特の安全対策がしかれています。それは、女性専用車両です。

(女性車両が導入されている国: 韓国:6:00 ~ 9:30、フィリピン:終日、ロシア:長距離列車・タクシー、ブラジル:通勤電車、タイ:ラッシュ時のバス、イギリス:タクシー
 ニューヨークもメキシコシティーのケースも、相手に物理的な危害を加えるものです。これらを肯定化する気は全くありません。人のものを盗むことは、決して許されません。しかし僕は、相手に一生残るかもしれない精神的ダメージを与える「痴漢行為」を決して許すことはできません。

 女性車両は、痴漢が社会問題となり、違法として明瞭に理解され始めた2000年から導入され始めました。2005年のアンケートでは、女性の9割、男性の6割が賛成と答え、全体の賛成は78%にのぼります。女性を痴漢から守るための対策としては効果的だと思いますが、多くの人が女性車両の原則を正しく理解せず、他人に不快感を与えていることも事実です。女性車両は、女性、男児、障害者が利用できる車両です。女性車両は混雑する事が、普通車両と比べて少ないので、普通車両に乗ることが難しい男児、障害者も女性車両に乗る事が許されています。しかし、この事を理解しない女性が、女性車両に乗ってきた男児、障害者に冷たい視線やきつい言葉を投げつけたりしています。視覚障害者が間違えて女性専用車両に乗る事もしばしばあるとニュースがありました。そしてそのたびにきつい言葉を投げられると、彼らは電車に乗る事が恐怖になると言っていました。自分の身を自分で守るのは大切ですが、人は一人では決して生きていくことはできません。必ず人は誰かの助けを受けています。ですから、その恩を、次は自分が誰かを助ける、誰かの身になって考えてみるといった気持ちで返そうと努力をするべきだと思います。席は、次の人が乗ってくる時に「空けていただけますか?」と尋ねないで良いために、初めから詰めて座る。もし電車の中で空き缶や瓶などが転がっていれば、もしくはそれが座席の上にあれば、それを捨てる。そして他の人に気持ち良く座ってもらえるようにする。他人の得より自分の得と考える人が増えれば、社会は必ず悪い方向へ行くと思います。

 そして、究極の自己中が、痴漢を犯す人です。彼ら(彼女ら)は、自分の性的欲求を満たすためだけに、知らない女性、男性に手を出します。その行為によって、痴漢をされた人には、異性が怖い、もう公共の場に出る事ができないなどのトラウマが残るケースも少なくありません。これらの事が予想できず、ただ自分が良い気分になりたいからだけの理由で痴漢を犯す人たちは、自国を汚しているのだと感じ、そして、より羞恥心を持つべきだと思います。
 また、痴漢をする人は、我慢をすることができません。理性を持つことができないということです。若者、また大人がよく、「キレる」や、「もう無理」という言葉を軽々しく口にします。これらの言葉は、もう我慢するのは諦めるという事です。僕は、何か苦境に立たされた時に、諦めることが一番嫌いです。だから、「キレる」「もう無理」という言葉は、一切言わないようにしています。まずは大人が我慢し、自分よりもまずは他人の事を考える事を学ばなければ、それを子供に教育することが出来ず、日本社会は一向に改善されないでしょう。

 「我慢」「理性」「他人の得」を知る人だけが上に立てる社会に少しでも近づけるように、今から一人一人が自ら向上心を持つ必要があると思います。


 補足: 女性の中で、無実な男性に痴漢だと言い張り、巨額な賠償金を求める人が多いようです。これらの人は、相手の弱みを見つけ、それを優越感だと勘違いしている、最低な人間です。このような最低な人間も、相手の立場に立って考える事のできない、子供よりもレベルの低い人という事です。確かに電車などの中では、片手で手すりを握れば、もう一方の手は必然的に女性のでん部に近くなります。なので、男性が疑われるのは仕方がないことかもしれません。しかし、男性は常に電車の中でバンザイをすることはできません。それに、男性は誰でも痴漢をしたいと思っていると考える女性がいれば、それは間違った偏見です。僕のように、痴漢を毛嫌いする男性も、世の中にはたくさんいます。ステレオタイプは全ての人に当てはまるといった考えは、間違っているということを早く気付くべきです。ステレオタイプは、外国人に対する侮辱にもつながり、国際関係をも崩してしまうことがあります。

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