2007年4月13日金曜日

ステレオタイプ (先入観)


 世界中どこにでもステレオタイプというものは存在します。確かに当てはまるものもありますが、ほとんどは当てはまらず、そのステレオタイプを完全に信じている外国人に対しては、その母国の人は、決して良い印象は持たないでしょう。もしあなたが、外国人にこう言われたら、どのように感じるでしょうか。

日本人はおたくである。
日本人はロリコンである。
日本人は必ず挨拶の時、合掌しお辞儀をする。
日本人は金儲けにしか興味がない。
日本人は誰でも寿司を作れる。
芸者は風俗である。
日本人は眼鏡をかけた吊り目に出っ歯で、首からカメラを下げている。
日本人男性は仕事中毒、男尊女卑、人種差別をする。
日本人女性は白人に弱く尻軽。
日本人は数学や物理など、頭を使う分野が得意。
日本は仏教国である。
日本人は空手、柔道、拳法などの達人である。

 これを言われ、気分を害さない日本人は非常に少ないでしょう。先入観は、国際的な場面だけでなく、以前のブログに紹介したように、男女間にも存在します。そして、先入観は人種差別にも繋がります。皆さん、出来る限り、自分の目で確かめ、自分の経験から人と接するようにしましょう。そして、架空の事実を忘れましょう。

 僕が今住んでいるメキシコ合衆国にも、海外からのステレオタイプがあります。上の絵は、典型的なメキシコ人をモチーフに描かれたものですが、このような人はほぼ存在しません。他にも、

メキシコ人は情熱的である。
メキシコ人は常に浮かれている。
メキシコ人は仕事をしない。
メキシコ人は常に大きい帽子をかぶっている。
メキシコ人はテキーラを飲んでいる。
メキシコ人は時間にルーズである。
メキシコの社会は腐敗している。

 すべての事が間違いというわけではありません。しかし、メキシコ人は本当に仕事熱心です。メキシコ人はお祭り以外は大きい帽子などかぶって街中を歩いていません。あんな大きい帽子をかぶった人が大勢いると、迷惑です。メキシコ人は、時間にルーズな人もいますが、すごく時間を大切にする人も多くいます。日本人でも、時間にルーズな人はたくさんいます。

 しかし、社会が腐敗しているのは確かです。例えば、飲酒運転をしていて、警察に見つかります。日本なら、25点減点で、即座に免許取り消し、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。メキシコも飲酒運転は犯罪です。しかし、飲酒運転を見つけた警察に賄賂を渡すと、見逃してくれるケースが多くあります。2万円程渡せば、まず大丈夫と考えていいでしょう。政治でも、必ず賄賂があります。それは日本の政治でも同じですが、メキシコの場合は、賄賂が公に出ることが多く、賄賂の数も日本のものとは比べ物にならない位多く存在します。この社会の腐敗の原因の一つに、「賃金の安さ」があります。メキシコの1日の最低賃金は、現在600円程となっています。しかし、実際にはそれ以下しか貰っていない人もたくさんいます。メキシコの国民の12%しか税金を納めていず、国民の50~53%に当たる人が、貧民とされています。
 貧民の多くは、田舎に住んでいる事が多く、山岳地域に住んでいる人は、麻薬栽培に携わるケースも少なくありません。海外から麻薬組織が、アメリカに麻薬を売るためにメキシコへ入国し、北上します。メキシコの北部(アメリカとメキシコの国境付近)は山岳地帯が多く、メキシコ政府が目の届かない所がたくさんあり、そこにも多くの先住民が生活しています。その先住民の人達に、麻薬を栽培すれば、ある一定の給料をやると言い、無理やり麻薬栽培に携わせます。先住民の人達も、それが違法とは認識した上で、仕方なくその仕事を引き受けます。もしその仕事を拒絶した場合は、麻薬組織に殺させるからです。そして、この事実はメキシコ政府も、国民も知っています。しかし、それを公表すると、その公表した人も殺されます。その恐怖のため、誰もその問題に手をつけることはできないでいます。

 メキシコには、ピラミッド、アステカ文明、マヤ文明、山、海、コロニアルな街、食べ物・・・他の国にはない、素晴らしもの、神秘的なものがたくさんあります。しかし、国内の腐敗のため、それはまだ世界中に知られていないのが現状です。政府が国を改善するのは当たり前ですが、メキシコを知っている僕達外国人が、メキシコの良さを周りの人に伝えるだけでも、メキシコの状況は少しでも良い方向へ向かうだろうと僕は信じています。だから、このブログでは、時折メキシコの良いところを紹介しようと思っています。

 最後に、メキシコの最低賃金を紹介しましたので、世界の最低賃金もここで紹介しておきます。

日本(2005)              668円(1時間)
アメリカ(2005)            600円(1時間)
カナダ(2005)             624~834円(1時間)
イギリス(2005)    18~22歳 950円(1時間)
               23歳以上 1,177円(1時間)
フランス(2005)            1,284円(1時間)
中国(2005)     上海   9,747円(月給)
              北京    8,903円(月給)
タイ(2005)            654円(日給)
フィリピン(2005)           806円(日給)
ポルトガル(1997)          30,618円(月給)
インドネシア(1997)         1,387~3,062円(月給)

 

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

イエイ!初コメント♡
私はメキシコに来て、ステレオタイプでその国の国民を見てはいけないってことを、本当に学んだよ。ステレオタイプで、人を判断しちゃってそれで違うとなんかわけわかんなくなるからね。人と接するときは先入観を持たずに、その人自身を見ていけたらいいなぁ~なんて思うよ。フアン君は家ではSombreroかぶってるよ笑

あと、私が思うに、貧しい人のほうがいっぱい働いてると思う。ただ、彼らには機会がなくて、なんていうか、社会がこうだから、先住民にはあまり働く機会(場所)がない。教育も十分ではないケースがほとんどだし。だから、低賃金でも、仕事がないよりはマシってなって、危険な仕事とかについてしまうんだろうね。働いてる時間は長くても、お給料が少ないから、金持ちはいっつも、貧しい人はいつまでも貧しいって思ってるんだよ。

ちなみに東京都の最低賃金は720円くらいかな?改正されるのかな?されたのかな?
メキシコも地域差がすごくあるみたいだけどね。

それと、サッカーお疲れ様。なんか、あっという間だったよね?私、ナオのサッカー見に行き始めたのが去年の10月くらいで、それからあっという間に時間が過ぎていった感じ。ナオのおかげで、いっぱい友達もできたし、何よりフアンに出会えた。本当ありがとう!チュー♡

サヨ

Naoya Okuno さんのコメント...

ほんまそうやな。先住民は、働くとこないわ。教育もないし。ま、教育を与えようと政府がしても、独自の法律とか作って、自分らは独立してるってゆーのを強調する先住民の人らもメキシコにはいっぱいあるんやけどな。やからこの前授業で、先住民を先住民ってゆー言葉1つでまとめてもあかんよなって話してた。それもまたステレオタイプなんやろな。先住民やからこう!みたいな。

サッカー、いっぱい観てくれてるでな☆暗いからよう観えてへんみたいやけど。笑 ま、目悪い人にとったら、観にくいやろ。オレも目悪くなってから、ディフェンスが何してるか、たまに観えてへんときあるもん。サッカーしててこれはちと重大問題やけど。でも、10月がらずっと観に来てくれてありがと☆ほんま、ほとんど休まずに来てくれたでな。あと1ヶ月、Monterrey楽しもな♪♪オレはとりあえず、Mexicoをaprovecharするために、今晩は一人で映画観に行ってきます。映画安いやん?飲むよかよりそっちの方が好きなんで。(おたくちゃうで)

長いコメントありがと^^